みじかな仏教語 8
「演説」
来月東京都議会議員選挙があり、都内各地では毎日数多くの選挙演説が行われます。仏教では、教えを演(の)べ説くことを「演説」といいます。ですから演説はいろいろな仏典に登場する語です。
例えば「世尊、我等を哀愍(あいみん)して演説し給へ」(華厳経)、「仏、一音を以って法を演説したもうに」(維摩経)、「世尊、法を演説し」(法華経)、「一切の経典を宣暢し演説す」(無量寿経)という具合です。いずれも、お釈迦さまが真理や道理を人々に説きあかしているのです。
そこから多くの人びとの前で自分の主義主張や意見を述べることをいうようになったようで、街頭演説・応援演説・演説会場・演説口調などすべてこの意味です。また講義し演説することを講演ともいい、これもまた日常よく使われる言葉です。選挙中の候補者や応援者の皆さん、演説とはこんな意味ですので、ぜひ真実を解きあかしてください。