いただきます、ごちそうさま
夏休みになりますと、お坊さまたちが、青少年のための研修会や修行道場を行い、多くのお子さんを指導されます。その多くは、はじめは怖がったり泣いたりするお子さんもいますが、二日間もするとすっかりなじんで、朗々としてお経を読んでいるお子さんも少なくありません。
一番苦手なのは、食事のときの正座のようです。一般の家庭ではテーブルでの食事が多く、学校の給食は机ですから正座はとてもつらそうです。それには作法があります。ただ一心に食べることに専念すればいいのです。日頃、テレビを見ながら食べているお子さんにとってはそれができないのですね。よく今の子は「ながら族」などといわれますが、テレビを見ながら食べる子は、一心に食べることができなくなっているようです。
ところが、そんなお子さんが慣れてくると、ちゃんと作法通りにやり、ご飯つぶ一つ残さずきれいに食べ終わって、「ごちそうさま」と手を合わせていうことができる。本当にやればできるんですね。指導されるお坊さんたちは、ギュウギュウと押しつけるようなことはしません。できないといって叱りつけることもありません。やろうと思えば誰でもできるんだな。僕だって、私だってできるんだな。という木元が芽生えてくれるのを待っています。
もしお子さんが、手を合わせて「いただきます、ごちそうさま」といったら、ご家族の方も一緒に合わせてあげていただきたいのです。
夏休みは家族とお子さんの結びつきが深まる大切な時期ですね。