みじかな仏教語 9
呂律(ろれつ)
舌が回らず、言葉がはっきりしないことを「呂律が回らない」などといいますね。仏教では、お経に節をつけて唱えることがよくあります。これを声明(しょうみょう)とか梵唄(ぼんばい)といいます。現代風には仏教音楽でしょうか。
この声明には、呂(りょ)施法、律(りつ)施法、中曲の三種類の音階があります。そこから、呂律は声明の調子、音の調子、旋律という意味になりました。
京都・大原三千院には、声明にちなんで、呂川、律川と名づけられ川が流れています。
声明は日本の音楽に大きな影響を与えています。平家琵琶、謠曲、浄瑠璃、浪花節、今様、ご詠歌、各地の音頭、盆踊りなど、日本人の音楽の底辺には声明があるといわれ、カラオケでよく歌われる演歌も、その影響を受けているほどです。
呂律は「りょりつ」から「ろれつ」に変化し、言葉の調子という意味になったようです。
マイクを握ったら、あまり酔わないで、呂律正しく歌ってくださいよ。